事故事例をもとに、その対策をご紹介します。

スリップ対策

スリップ事故について

製造業において、転倒による死傷事故は、毎年5,000件以上発生し、サービス業など店舗・商業施設における事故の7割はスリップによる転倒事故となっています。
転倒事故の主な原因は、床にこぼれた油や液体によるもので、油や液体によるスリップ対策を行うことが、転倒事故を防ぐ上で重要となっています。

発生事例①作業場の油が靴裏についたまま、
事務所に戻り転倒した

作業現場の機械から垂れた油が、靴裏に付着し滑りやすくなっていた。事務所の出入口にはたわし状のマットを設置していたが油が取り切れておらず、事務所の床で滑って転倒し怪我を負ってしまった。

対 策機械からの油漏れ、エリアごとの汚れの持ち出し対策の徹底

機械まわりの油を放置すると、滑りやすく転倒のリスクが高まり大変危険です。また、漏れた油が靴裏に付着し作業現場から持ち出され、他の場所でも転倒事故が起きる危険性があります。
対策として、まず油が垂れる機械周りに吸収材を設置し、油がそれ以上広がらないようにしましょう。
また、作業場の出入口に、靴裏や台車などのタイヤの汚れを吸着するマットを設置することにより、転倒防止対策だけでなく汚れの持ち出し対策にも効果があります。

発生事例①冷蔵庫内の凍結した床で、
滑って転倒した

業務用の冷蔵庫から冷凍食品を搬出する際、床に発生した霜で足が滑り転倒した。
夏場の作業時、冷蔵庫のドアが頻繁に開閉された影響で霜が液化し、滑りやすくなっていた。

対 策排水機能のある防滑マットを使用する

冷蔵庫の床は霜が堆積し滑りやすくなります。冷蔵庫への出入りを伴う作業時には防滑性の高い靴を着用した上で、床が凍っていないか、霜が積もっていないかなど、床の状況に注意しましょう。防滑マットを使用することでより安全に作業することができます。マットに液体が溜まらないよう、穴が開いた排水性のある防滑マットがおすすめです。