事故事例をもとに、その対策をご紹介します。

衛生管理

衛生管理について

2021年6月に完全義務化されたHACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)。飲食店や食品工場での衛生対策・異物混入対策は、お客様への安全対策というだけでなく、企業存続に関わる重要な事柄です。
HACCP対応の一つである、カラーコードで色分けされた清掃用具を使用することは、衛生対策に非常に有効で、エリアごとにカラーを使い分けることにより、器具の衛生管理を徹底し、微生物汚染や異物混入などによる危害を未然に防止できます。
また清掃用具以外でも異物混入対策ツールがあるのでそれらを使用し、食材や製品の安全確保を徹底するようにしましょう。

発生事例①同色のブラシを、野菜加工と肉加工のエリアで共用していた

小規模の食品工場で、2021年6月に義務されたHACCP対策をすることになった。
加工食材には、野菜、肉類があったが、加工場に少々距離があったので、同色の清掃ブラシを使用しており、HACCP義務化以後も、使用しているブラシなどは同じものをそのまま使い続けた。
従業員の間では、床ブラシなどを野菜エリアと肉エリアで共有してしまっている者もおり懸念する声があった。

対 策加工エリア・食材ごとにHACCP対応カラーブラシを使用する

HACCP対策では加工するエリアや、加工する食材ごとに、定めたカラーブラシを使用するよう推奨されています。
例えば肉であれば赤、野菜は緑、魚は青などカラーを決め、そのエリアや食材では同色のブラシのみを使用することで、交差感染や微生物汚染、衛生管理、異物混入対策が行え、危害を未然に防止することができます。
清掃場所にあわせ、ブラシの形状などや毛の固さや質などを選ぶことで、清掃がしやすくなり効率的な衛生管理につながるでしょう。

発生事例①パウチをハサミで開封した際に、
破片が食品に混入した

食品工場の生産ラインで食材が入ったパウチをハサミで開封した際に、2度切りをして、その箇所のパウチの破片が食材に混入してしまった。
後で、破片が入った可能性を発見し、生産ラインを停止。一部製品を破棄することになった。

対 策一度で切ることができる、
安全カッターを使用する

パウチや袋類をカット開封する際は、2度切りによる破片の混入を防ぐため一度でカットできる安全カッターを使用するようにしましょう。
また梱包物の破片だけでなく、刃・カッター部品・パーツが欠けた際の混入も防ぐため、刃が途中で折れない一枚刃のタイプや、ボディが金属探知機に反応するタイプなど、異物混入対策用安全カッターの使用がおすすめです。