有機溶剤の保管・管理には耐火キャビネット

有機溶剤の保管・管理には耐火キャビネット

 

 

有機溶剤について


有機溶剤は製造現場で多く使用され、他の物質を溶かす性質を持つ有機化合物の総称です。
有機溶剤の性質として、揮発しやすく、可燃性・引火性が高いものが多い傾向にあり、これらの性質を持つ有機溶剤は、消防法では第4類「引火性液体」の性質を持つ〈危険物〉に分類しています。

 

【第4類に該当する主な有機溶剤】

  • 特殊引火物:ジエチルエーテル、二硫化炭素
  • 第1石油類:ガソリン、トルエン、ベンゼン、アセトン、酢酸エチル、メチルエチルケトン(MEK)
  • アルコール類:エチルアルコール(エタノール)、メチルアルコール(メタノール)、イソプロピルアルコール(IPA)
  • 第2石油類:キシレン、酢酸

危険物に分類される有機溶剤を製造現場などで取り扱う場合、危険物取扱者が業務を行うか立ち合う必要があり、使用にあたり保管や管理には十分な注意が求められます。

 

 

 

 

 

有機溶剤による火災事故


有機溶剤による最も多い事故は、揮発した気体を吸い込んだことによる中毒事故ですが、次いで引火による火災・爆発事故が挙げられます。
塩化メチレンやクロロホルムなどの難燃性の物もありますが、有機溶剤は可燃性のものが多く、揮発性した蒸気に引火する事故は非常に多いです。
以下は実際に発生した、有機溶剤による引火事故の事例です。

 

 

 

 

 

有機溶剤の引火事故事例


ゴム製品に有機溶剤を塗布する工程で、静電気により引火。
この際、有機溶剤を入れていた容器の蓋は空いており、揮発していた可能性がある。作業台に置いていたシンナー等にも燃え移り、瞬く間に火が広がってしまった。
けが人はいなかったが、鎮火に半日以上の時間を要した。

 

 

 

 

 

引火による火災事故の対策


揮発した有機溶剤の引火事故は、直接的な火源の接触だけでなく、静電気など小さな要因によっても発生します。特に揮発した有機溶剤の蒸気が高濃度のまま床に滞留することがあり、静電気による引火の危険性を高めています。
製造現場では燃えやすい材料も多く、火災発生時に被害が拡大しやすい環境にあるため特に注意が必要です。
以下は、有機溶剤による引火事故に備えて取るべき対策です。

 

【対 策】

①揮発を防ぐ、密封した容器で保管する

有機溶剤は揮発しやすいため、容器を密閉して保管する必要があります。作業時には使用する容量だけを容器に移して使用現場に持っていきます。この際、蓋付きなどの容器にすることで揮発と引火を防止しやすくなります。

②引火の危険性がある火源から遠ざける

使用していない有機溶剤はキャビネットなどに保管し、火源から隔離することで火災発生時の被害拡大を防止できます。
万が一、保管時に揮発していた場合でも、吸引リスクを下げるために換気の良い涼しい場所で保管することが望ましいです。

 

 

 

 

 

有機溶剤保管に〈耐火キャビネット〉が適した理由


前述の通り、有機溶剤の引火リスクを下げるためにキャビネットでの保管が推奨されますが、より火災リスクを下げるためには〈耐火キャビネット〉での保管がオススメです。
有機溶剤は引火しやすい性質の他に、発火点が低いことも特徴です。発火点とは、外部に火源がない状態で自然に火が発生する温度のことです。

 

 

 

有機溶剤によって発火点は異なり、普段の生活で自然発火は起こりにくいですが、火災が発生した際に外部温度が上昇し、それに伴い有機溶剤の温度も上昇して自然発火を起こし、被害が拡大する可能性があります。そのため、被害拡大の防止として〈耐火キャビネット〉が有用です。

〈耐火キャビネット〉は、火災等で外部の温度が上昇した場合でも一定時間、内部の温度が上がりにくい構造になっており、避難時間の確保や消防隊の到着までの時間を稼ぐことができます。

 

 

 

 

 

耐火キャビネットは〈FM規格〉を取得した製品を


耐火キャビネットにはさまざまな種類の製品がありますが、〈FM規格〉を取得したキャビネットが特にオススメです。
〈FM規格〉はアメリカにおける最も一般的な火災対策製品の基準で、取得には厳格な試験が設けられています。
また、アメリカの損害保険会社が推奨する規格でもあり、火災対策製品を選ぶ際の一つの基準となっています。

〈FM規格〉キャビネットは、火災時の内部温度上昇の抑制だけでなく、静電気による火災防止に役立つ導電性の棚板とアース接続、内部で液体が漏れた場合に受け止める底部の液体サンプ、盗難防止の施錠機能など、有機溶剤の保管に適したさまざまな機能があることも特徴です。

ただし、〈危険物〉に指定される有機溶剤を指定数量を超えて保管する場合には、消防署への許可申請と〈危険物倉庫〉が必要となるので、取り扱う有機溶剤の種類と容量を確認し、適切に管理を行ってください。

 

 

 

※〈FM規格〉キャビネットの詳細を別の記事でまとめていますので、ぜひご一読ください。

〈FM規格〉セーフティキャビネットを選ぶ理由【PDF】

 


 

 

 

〈FM規格〉キャビネットは総合火災予防対策メーカーの
JUSTRITE(ジャストライト)


〈FM規格〉キャビネットを選ぶ際は、機能面や価格だけでなく、信頼のある企業であることも確認が必要です。万が一の際に商品の不良や、機能が十分に発揮されなければ意味がありません。

弊社が取り扱う、〈FM規格〉を取得したセーフティキャビネットの製造メーカーであるJUSTRITE(ジャストライト)は、100年以上にわたり可燃性や揮発性の液体を安全に取り扱うための製品を製造する、総合火災予防対策メーカーです。

〈FM規格〉認証を受けた製品を中心に、火災の危険性が潜む①保管、②移動、③使用、④廃棄と、あらゆるシーンで火災予防ができる製品を取り揃えており、さまざまな国や企業で愛用されています。
万が一の火災に備えるために、JUSTRITEの火災予防製品を選択し、ご活用ください。

 

 

 

 

 

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