〈FM規格〉セーフティキャビネットを選ぶ理由

可燃性液体保管には〈FM規格〉キャビネット

 

 

可燃性液体の保管・管理方法


日本において可燃性液体の保管には、スチールなど金属性の危険物保管庫・収納庫が多く用いられています。
収納しやすく利便性があり、可燃性液体の引火を防ぐ効果は高いですが、多くの製品では火災対策として万全ではありません。

例えば火災発生時に、ガソリンなどの発火温度が低い可燃性液体を金属性の危険物保管庫に入れていた場合、外の温度が高温になると同時に中の液体の温度も上がり、液体が発火点を超え燃焼することで被害を大きくしてしまう危険性があります。

 

 

その他に火災時に中の温度が上がりにくい構造を持つ、JIS(日本産業規格)の耐火金庫などがありますが、耐火金庫は可燃性液体の保管用途ではなく、貴重品の管理・保管が主な役割となっており、小型なサイズが多く、頻繁な開閉を想定していないので、使用頻度の高い可燃性液体の保管として適当とは言えません。

 

 

 

 

〈FM規格〉認証のキャビネットが選ばれる理由


米国では一般的に、可燃性液体の保管には〈FM規格〉認証を受けたキャビネットが使用されています。
〈FM規格〉キャビネットは、火災時に中の温度が上がりにくい構造などをはじめ、さまざまな耐火性能や機能を持ち、火災発生時に従業員や資産を守ることを目的としています。

〈FM規格〉キャビネットは作業場に設置しやすいように設計され、可燃性液体を引火の危険性のある火や熱から隔離し、火災時の温度上昇による発火や爆発、延焼のリスクを低減します。
また可燃性液体だけでなく、有機溶剤やスプレー缶、固形燃料、薬品など、さまざまな保管にも適しているので、火災リスクの潜む保管に対し〈FM規格〉キャビネットはひとつの答えといえるでしょう。

 

 

 

 

米国(アメリカ)の火災対策の標準〈FM規格〉について


〈FM規格〉は、米国に拠点を置く損害保険会社「FM Global社」を中心に立ち上げた、米国における最も一般的な火災防止に関する認証規格です。
〈FM規格〉取得には、専用のテストを実施し、合格したもののみに〈FM規格〉の認証マークが掲示されます。

万が一火災が発生時した場合、企業は大きな被害・損害を被る可能性がありますが、〈FM規格〉は米国の損害保険会社が推奨する規格であり、保険の適用や、保険料の割引きとなる要因になっているので、火災リスクに備える企業では必要不可欠な火災予防製品といえます。

防火に対する高度な安全性と品質から米国をはじめ欧州、アジアで幅広く〈FM規格〉製品は受け入れられ、年々そのシェアは拡大し、〈FM規格〉は世界最高水準の火災予防規格として認知されています。
日本でも、外資系企業が増加している影響もあり〈FM規格〉への関心が非常に高くなっています。

 

 

 

 

〈FM規格〉キャビネットの特徴


キャビネットで〈FM規格〉認証を受けるには下記の構造的特徴が必要になります。

 

  • スチール板の厚さは18ゲージ(約1mm)以上であること。
  • 側壁、上壁、扉において、内側と外側の2枚のスチール板の間に1.5インチ(約38mm)以上の空間を設けること。
  • 板と板との接合部は、リベット、溶接、ろう付け、または同等の効果を期待できる手段で処理されていること。
  • キャビネットの扉は、施錠可能であること、火花が散らないこと。
  • 3ヵ所にラッチがあり、扉がしっかり閉まる仕組みであること。
  • 液体を一時的に溜めることができるサンプ機能があり、その深さは少なくとも2インチ(約51mm)であること。
  • 外側からアースを取れる構造であること。
  • キャビネット側面には、上部、底部の2箇所に排気口があること。またその排気口はフレームアレスター(消炎金網)が備えられ、外側から通気パイプが取りつく機構になっていること。

 

弊社の取り扱うJUSTRITEのセーフティキャビネットは、これらすべての特徴をもった〈FM規格〉認証のキャビネットで、その他に作業場で使用しやすいように設計されています。

 

 

 

 

JUSTRITEの〈FM規格〉セーフティキャビネット


JUSTRITEの〈FM規格〉セーフティキャビネットは、火災を想定したテストにおいて、2重の壁面構造で内部温度が高くなりにくく、外部からの熱や炎を効果的に遮断するので、室内温度が10分後に704℃に達しても、セーフティキャビネットの内部は163℃未満を維持しました。

可燃性液体をセーフティキャビネットで保管することによって、万が一の火災時に消防隊が駆け付けるまでの間、耐火性能により液体が自然発火する危険性を減らし、作業者の命と資産を守ることができます。

またセーフティキャビネットは〈FM規格〉の他に、NFPA(国家防火基準)、OSHA(米国労働安全基準)にも準拠しており、防火対策製品として高い基準をクリアしています。

 

 

 

 

セーフティキャビネットが日本で使用されている現場


セーフティキャビネットは整備工場、物流倉庫、店舗・テナントなどさまざまな場所で使用されていますが、最も多く使用されているのが製造工場です。
製造工場では可燃性液体を多く取り扱い、製造機械などからの引火の危険性を多く孕んでいます。

特に近年では日本を拠点とする外資系企業の製造工場が増加傾向にあり、〈FM規格〉キャビネットを使用することで、万が一火災が発生した場合に母国の火災保険を適用(※保険内容に準じます)することができるので、外資系企業の製造工場が稼働する際に、セーフティキャビネットが選ばれています。
また保険だけでなく、安全性や使い勝手の良さから、母国の工場から引き続きセーフティキャビネットを選んでいるという声も少なくありません。

企業の他に、日本の米軍基地では、メンテナンスなどで使用するエンジンオイルや、ガソリンなどの燃料保管にセーフティキャビネットが使用されており、自衛隊や、消防署、警察署、それらに準拠するような施設にも安心してご使用いただけます。
また薬品管理として化学工場、製薬工場、企業・大学などの研究施設でもセーフティキャビネットが活躍しており、これから益々、日本国内での〈FM規格〉キャビネットへの需要は高まってくると考えられます。

 

 

 

 

セーフティキャビネットの種類と選び方


セーフティキャビネットの選定方法には2つのポイントがあります。

 

①大きさを選ぶ

一斗缶が1~4個入るコンパクトタイプから、一斗缶が8~36個入るスタンダードタイプの合計7サイズのセーフティキャビネットがあるので、取り扱う液体の量でサイズを選んでください。この際、取り扱いの液体量より大きめのサイズを選んでおくと、取り扱い量を超えた場合にキャビネットの外で保管するなどのヒヤリハットを防止できます。

 

②扉のタイプを選ぶ

セーフティキャビネットには、〈マニュアルクローズ〉と〈セルフクローズ〉の2種類のドアがあります。
〈マニュアルクローズ〉は、セルフラッチングシステムを搭載しており、扉を軽く押すと自動的に閉まります。
〈セルフクローズ〉は、手を離すと自動的に扉が閉まり、開け放しになることがありません。このメカニズムは、上部の壁の中に埋め込まれており、キャビネット内のスペースを有効に活用することができます。
また、付属のリングを使用すれば、扉を開放しておくこともできます。このリングは火災時に約74℃で溶け、自動的に扉が閉まるので、万が一火災が発生した際に扉を閉め忘れても安心です。

 

 

 

 

総合火災予防対策メーカー〈JUSTRITE〉について


キャビネットの性能や価格も選定の基準になりますが、信頼のおける企業を選ぶことも重要です。万が一の際に商品の不良や、機能が十分に発揮されなければ意味がありません。

弊社が取り扱うセーフティキャビネットの製造メーカーであるJUSTRITE(ジャストライト)は、100年以上にわたり可燃性や揮発性の液体を安全に取り扱うための製品を製造する、総合火災予防対策メーカーです。

〈FM規格〉認証を受けた製品を中心に、火災の危険性が潜む①保管、②移動、③使用、④廃棄と、あらゆるシーンで火災予防ができる製品を取り揃えており、さまざまな国や企業で愛用されています。
万が一の火災に備えるために、JUSTRITEの火災予防製品を選択し、ご活用ください。

 

 

 

 

ダウンロード用PDF


〈FM規格〉セーフティキャビネットを選ぶ理由【PDF】

 

 

 

〈FM規格〉セーフティキャビネット製品一覧


セーフティキャビネット製品一覧ページ

 

 

 

 

〈FM規格〉セーフティキャビネット紹介動画